残業が続くと、つい出前館を開いてしまう。
疲れた頭で何も考えたくなくて、
「今夜はマックでいいか」とポチッと押す。
あの安心感は確かにある。
でも、ふと「これ、自分で作ったらどうなるんだろう」と思った。
YouTubeで見つけた“ビッグマックもどき”のレシピを参考に、
トルティーヤとひき肉で作ってみた。
期待していなかったのに、思いのほか美味しくて笑ってしまった。
「あ、自分でもできるじゃん」と。
食べながら思った。
これってただの節約じゃなくて、
“自分の体を、自分で整える感覚”に近いのかもしれない。
外食や出前に頼るのも悪くないけれど、
自分の手で作ると、体も心もすっと落ち着く。
食べるものを選ぶ自由があるだけで、
少しだけ“健康を取り戻した”ような気がした。
反省点もある。
ひき肉が少し多かった。
ピクルスは刻みより輪切りの方がよさそう。
チーズはメーカーによる違いはほとんどなかった。
そんな小さな発見も、どこか嬉しい。
「次はこうしてみよう」と思えることが、
生活に小さな前向きをくれる。
仕事が忙しいときほど、
自分の発言や行動に“筋”を通すのが難しくなる。
でも、こうして台所に立って、
一食分だけでも自分の手で整えることができたなら、
それもひとつの「筋」なんだと思う。
お金があれば便利なものは買えます。
でも、自分で再現できる力があれば、
状況が変わっても“豊かさ”を自分で作れる。
お金を使えば、すぐに満たされるものは多い。
けれど、自分の手で積み重ねたものだけが、最後まで自分を支えてくれる。
この「ビッグマックもどき」は、
そんな当たり前のことをもう一度教えてくれた気がする。

