例年通り、仕事が繁忙期に入り、ひたすら業務に追われる日々が続いていました。
疲れが重なっていく中で、「自分の環境を変えた方がいいのだろうか」あるいは「環境ではなく、自分の捉え方を変えれば、この状況も違って見えるのだろうか」と考えることが増えていました。
そんなときに手に取ったのが、ひすいこたろうさんの『あなた次第でこの世界は素晴らしい場所になる』でした。タイトルからして、自分が今感じているテーマにぴったり重なっていたのです。
本の中で特に心に残ったのが「ゲシュタルトの祈り」と「まなゆい」という考え方でした。
どちらも「自分の世界をどのように見て、どのように受け止めるか」という視点に深く関わっています。
そして、決定的に印象に残った一文があります。
「君が見たいほうが、現実になるのです。君が選ぶほうが現実になるのです。」
この言葉を読んだとき、ハッとしました。
環境や他人のせいにする前に、自分がどの視点を選ぶか、どの出来事にフォーカスするかで、現実の感じ方が大きく変わってくる。
忙しさや疲れの中でも「ありがたいこと」「小さな優しさ」に目を向けるか、「足りないこと」「嫌なこと」に目を向けるかは、自分次第なのだとあらためて気づかされました。
この激しく変化する世の中、自分が働き続ける会社を少しでもいい方向に変えていきたいと考えました。従業員一人ひとりが余裕を失っている状況を理解したうえで、問題が起きたときに互いを非難するのではなく、協力して前に進める雰囲気を作れないか――そんな思いから、小さな一歩を試みました。
その一つが、全従業員が目にする「出張報告書」に自分の考えを記したことです。
直接のやり取りの場ではなく、あえて公式の文書に「協力し合える空気を大切にしたい」という思いを書き残しました。出張報告書の詳しい内容についてはまた改めて触れたいと思いますが、この小さな実験がきっかけとなって、少しずつでも会社が良い方向へ変わっていくと信じています。
ひすいこたろうさんの『あなた次第でこの世界は素晴らしい場所になる』を読んで、あらためて「自分の視点や選び方が、日々の現実を形づくっている」ということを実感しました。
忙しさや疲れに押し流されると、どうしても不足や不満に目が向きがちです。けれども、自分がどこに光を当てるかで、同じ状況でも見える景色は変わっていきます。
今回、会社の中で小さな実験として出張報告書に思いを込めたように、日常の中でできることは意外と多いのかもしれません。完璧に変わらなくても、少しずつ積み重ねていくことが、世界を素晴らしい場所に変えていくのだと思います。
あなたなら、どんな小さな一歩で世界を素晴らしい場所にしてみますか?